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ヘンゼルとグレーテルのkanacoのレビュー・感想・評価

ヘンゼルとグレーテル(2007年製作の映画)
3.4
童話の「ヘンゼルとグレーテル」をモチーフにした韓国のホラー映画。ホラー以上にファンタジー要素が強いので怖くはない。童話ベースの世界観が可愛いし不気味。中盤がかなり間延びするが、その長さを超えた後の真相は重く、哀しく、鋭利で、「真実」の残酷性を叩きつける感じが韓国映画!って感じ🤔(139文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

🎃dbdの元ネタを映画で追ってみよう⑤🎃
※なお、私は動画勢につき未プレイです。

ハグ(THE HAG) 【ハッグ】:元ネタ映画なし🙃あらまぁ。
ゲームだと「まじない」の紋章を床に書いてワープする魔女みたいな感じかしら?

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ただ、ハッグをwikiでみたところ、「イギリスの伝承に登場する怪しい老婆」「精霊、妖精、あるいは悪霊」「性質は魔女に近い」「眠っている者に悪夢を見せることができる」「人を食べる者もいる」「ヘンゼルとグレーテルの物語に登場した老婆」とあった。

なので「ヘンゼルとグレーテル」を鑑賞!とはいっても、童話の「ヘンゼルとグレーテル」ではなく、童話をモチーフにした韓国のホラー映画。かなり昔、童話の残酷な部分に焦点を当てた「本当は恐ろしいグリム童話」が流行ったが、その派生で童話をモチーフに舞台を現代設定にしてしたオリジナル読み切りのような漫画も複数作られていたイメージがあるのだが、本作もその部類に入るようなイメージ。

あらすじ:車を運転していたウンスは恋人から妊娠したという報告を受けて動揺してしまい、ハンドルを誤り崖から転落、気を失ってしまう。目を覚まし夜の森をさ迷っていたところにヨンヒという少女と出会う。ヨンヒに導かれて辿りついたのは、森の奥に建つには不釣り合いな立派な洋式の家。その家には両親と兄、ヨンヒ、妹の5人が住んでおり、部屋や廊下、屋根裏などあらゆるところにたくさんのおもちゃやヌイグルミが置かれている。一晩泊まらせてもらったウンスは、翌朝一家に別れを告げ、森を抜けようとするのだが、なぜか森を抜け出せず…というお話。

ジャンルがホラーに分類されているのは正しいと思うが、それ以上にファンタジー要素が強くサスペンス要素もあり、ホラーが苦手な人でも問題がなく見ることができるレベル。また、童話「ヘンゼルとグレーテル」のストーリーを追っていないものの、要素はかなり散りばめられている(ただし直球より変化球が多い)のでダークファンシー感はまとまっており、オモチャだらけの独特の洋館の雰囲気は見ていても不気味だが可愛い。

🧁🐝「ご飯もパステルカラーなクリームやシュガーがついたマフィンや菓子パン!子供が好きそうだし、見た目可愛いけど、砂糖酔いしそう~😂」

目がパッチリしていてベビーフェイス気味な主人公の男優さんは本作の世界観にあっていたし、何より重要人物である3人の子供たちが「子供」としての「可愛さ・不気味さ・怖さ」を演技で発揮していて子役すごい!ってなる。長女のヨンヒちゃんの顔をどこかで見たことが…と思ったら、割と最近見た「サニー 永遠の仲間たち」の主人公の高校生時代を演じていたシム・イウンギョンさんだった。子供の頃から役者をやっていたのか😃

ただ、本作117分あるのだが、けっこう長く感じる。終盤に一気に真相が語られるタイプなのだが、それまでが同じことの繰り返し(森から出ようとして、結局洋館に戻る)。もちろん新しい情報は随時出てくるのだが、状況が全然進まないという時間帯が長すぎるように感じる。もっと短くできたのでは?と思わずにはいられない。

でも、その長さを超えた後に明かされる真相は重く、哀しく、鋭利で、ここで突然、「あ!そうだこれ韓国映画だった!」と思い出す。そんな「真実」の残酷性を叩きつける感じだった。

「その世界の子どもたちは みんな 幸せなの?」

というメッセージが辛く重く響く。
正直、ちょっと中盤が間延びしますが、もし鑑賞されることがあれば、「らしく」なるラストまでちょっと粘るのをおススメします。
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