みてべいびー

愛のコリーダのみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

愛のコリーダ(1976年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

何かこの映画を土曜の夜に一人で鬱々と観てる自分が滑稽に思えた。でも一人で鬱々と観るのが一番ふさわしいような気もする。何度も観ようって映画ではないが、主演二人の体当たり演技と大島監督の演出が冴える名作。
9割方がセックスシーンなので、もはやそんな珍しいもんでもないような気になるというか、逆に観てるこっちが疲弊してしまうのと、色んな感覚が麻痺してくる笑。最後の方もはや新手の拷問みたいになってたよね笑。それでも終始不快感はないし、もはやエロいとすら思わなくなってくる。決して単なるポルノではなかった。
当時の文化をよく理解してないから、それが普通なのかアブノーマルなのかさえわからないんだけど、芸者さんとかの前でパフォーマンスのように繰り広げるのはよくあることなのか?偽の結婚の祝い酒交わしたあと、定と吉蔵を横目に芸者たちまで始めちゃう感じ結構ぶっ飛んでて笑った。
包丁を手にした究極のメンヘラお定を相手に余裕ぶっこける吉蔵の度胸と器の大きさには感心してしまった。定の良さはよくわからなかったけど、吉蔵の人間としての魅力はすごくよく伝わった。メンヘラ製造しちゃうねあれは。しょうもない男と言ってしまえばそうなんだけど、女の人を甘やかすのが上手いというか、とにかく懐だけは深い。定が夢中になるのもわかる気がする。まぁでも好きな人を身体的に苦しめてまで、快楽を追い求めることを愛と呼べるのかどうかは、私にはまだわかりません。
一番好きだったのは、吉蔵が行進する将校たちとすれ違う場面と、彼を殺しちゃったあとの「もういいかい?」「まぁだだよ」の件。切なかった、どの強烈な情事の場面よりも印象に残ってる。とはいえしばらくはゆで卵食べれなくなりそう笑。
定役の松田暎子の身体がとても美しかった、すごくバランスのいいスタイルでちょっと目指したくなった笑。お着物も綺麗だった。あと藤竜也が時々窪塚洋介に見えた、多分横顔が似てる。
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