クロスケ

愛のコリーダのクロスケのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ(1976年製作の映画)
3.7
【再鑑賞】
この映画の断片を初めて目にしたのは、高校の修学旅行先だったフランス・パリでのことでした。
旅先でテンションの上がった高校生が、ご多分に漏れずにそうであるように、夜更かしをして部屋のテレビを付けると、たまたま放送していたのが本作だったのです。

性に寛容なフランスに相応しく、無修正版でした。ちょうど、松田瑛子の股間を眺めながら、殿山泰司が自らを慰めているシーンでした。

今のようにインターネットが普及しているわけでもなく、セクシャルなイメージに触れる機会がそうお手軽ではなかった当時、何かとてつもなくいかがわしいものを観てしまった気分になり、そこそこにテレビを消して、ドキドキしながらベッドに潜り込んだことを覚えています。(誰にでもうぶな時代があるのです)

後になってそれが、あの『戦場のメリークリスマス』で有名な大島渚の問題作『愛のコリーダ』であったことが判明して、DVDで復刻された際に修正されたバージョンに再会することになったのです。

そしてこの度、久方ぶりに見直すに至り、映画そのものの面白さと同時に、ポルノとしての充実度の高さを改めて再認識しました。

耽美さとエログロが、映画の中で高度なレベルで両立した意欲作です。
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