フジタジュンコ

愛のコリーダのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ(1976年製作の映画)
2.8
大島渚の「御法度」ついでに、見ておこうか、ということで見た。

ストーリーはまったく理解できないし、共感もできず、藤竜也にも松田暎子にも惹かれず(ただ、だんだん松田暎子が可愛く見えてくるのは不思議だ)、考察やレビューを読まないと最後まで見られなかった程度には苦痛だった。まあ、これがアートなんだろうな、という気はする。
ただ、「御法度」同様、やはりところどころ画が美しい。時折構図が美しいので、その時だけハッとさせられる。

大島監督が描きたかったのは定ではなく、戦争へ行かない「男」である吉のほうで、戦争に没入していく全体主義化した大日本帝国と、徹底的に個人的な事象であるセックスとの対比だと思うと、それなりに受け止められる映画ではあるような気がする。あくまでそれなりに、ですが。