うにたべたい

仮面ライダー対ショッカーのうにたべたいのレビュー・感想・評価

仮面ライダー対ショッカー(1972年製作の映画)
3.7
劇場版仮面ライダー二作目。
仮面ライダーの大ヒットを受けて作成され、前作の"ゴーゴー仮面ライダー"とは違いオリジナル脚本です。
オリジナル脚本としては一作目の仮面ライダー映画ですね。

ストーリーは、物理学の教授がすごい発明をして、その発明を狙うショッカーが現れるという、仮面ライダーではよく見る展開です。
発明の設計図が秘密裏に教授の娘に託されており、それを知ったショッカーは娘を誘拐、博士と取引を持ちかけます。
仮面ライダー・一文字隼人は人間の自由のために、悪の秘密結社ショッカーと戦うというストーリーです。

30分ちょいの長さで尺もテレビと大して変わらないですが、劇場版ということで、スケールアップがされています。
"ゴーゴー仮面ライダー"に続いて本作も再生怪人が大量に登場し、仮面ライダーを取り囲むように崖の上で名乗りを上げるシーンが特徴的ですね。
クモ男からカメストーンまで、これまで登場してきた怪人から30体近い怪人たちが登場し、仮面ライダーに襲いかかります。
今までライダーを苦しめてきた怪人達なのですが、悲しいことに尺の問題か、戦闘員レベルでバタバタと倒されてしまいます。
また、ショッカー戦闘員と違って怪人は倒されると爆発しないといけないので、本作はとにかく爆発します。
蹴られて爆発、倒されて積み重なっては爆発するので、ライダーが強いというよりも、どうしても怪人が弱体化しているように見え、脅威が感じられないのも残念なところですね。

一方でショッカー戦闘員は見せ場が多く、ライダーとバイクチェイスするアクションシーンは結構迫力がありました。
気ぐるみがない分身軽なためか、戦闘シーンもvs怪人よりvs戦闘員の方が激しいです。
個人的には、タイトルは"仮面ライダー対ショッカー戦闘員"とした方がいいのではと思うくらい、戦闘員が映える映画だったように思います。
また、本作では本郷猛も応援に駆けつけ、ダブルライダーで戦います。
ヒーロー同士が協力して巨悪に立ち向かう展開はとてもワクワクしますね。

ちなみに、有名な話ですが、仮面ライダー1号の衣装は2号ライダーの衣装にリペイントされました。
そのため、40話、41話の、桜島での戦いで1号ライダーの衣装は新調されて、通称"桜島一号"と呼ばれるデザインになりましたが、本作登場の一号ライダーもデザインは桜島一号です。
ただし、劇場版で再度新調されたようで、40話、41話では結構野暮ったい感じがありましたが、劇場版はカラーリングそのままでスタイリッシュになっています。
正義のヒーローらしい2号に比較すると、怪奇モノだった名残が感じられる暗いカラーリングで、私的には「これぞ1号」となりますが、知らない方がみると、「なんか1号暗くない?」となりそうですね。
もし誰かと一緒に見ていてそういうことを言われたら、思わず熱弁を振るってしまいそうです。

また、一号ライダーの変身ポーズが初お披露目される、テレビに先駆けて骨戦闘員が登場するなど、いろいろ変革が感じられる劇場版です。
仮面ライダー好きは抑えておくべき一作ですね。