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FEAR X フィアー・エックスのbennoのレビュー・感想・評価

FEAR X フィアー・エックス(2003年製作の映画)
3.6
N.W.レフン監督10作目にしてコンプ!

最終作にして問題作!
この作品で、レフン監督は多額の借金を負うこととなり、興行的に失敗作と呼ばれた作品です。
但し、そのおかげで『プッシャー2・3』が製作されたので、とても大事な作品でもあります。


警備員のハリーは妻を殺害され、日々防犯カメラをチェックして犯人を探し求めます。夢の中で妻が自宅の前の家に入って行くのを見たハリーはその家に忍び込み、写真のネガを発見。そこから彼の捜索が始まります…

絶望の果ての妻への想いが、まるで悪夢のように犯人の元へと導かれる様子が上手く描かれ、彼の執念…そこから怒りに変わる様子も、レフン監督独特の"赤の世界"で見事に表現されています。

また、後半の早い段階で、観ている側には犯人がわかるのですが、映画の中の主人公には明かされません。
その演出もとても面白いです。

ラストは、明らかにハリーは犯人を殺害したと自白するのですが…何ひとつ犯罪の証拠は出てきません。
これは観る側の判断…私には彼の悪夢は浄化されたのだろうと感じました。

私にはとても失敗作とは思えなかったのですが…若干レフンロス…また一巡したいと思います。
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