数ある『女囚さそり』の影響下映画というか亜流の中ではかなり出来の良い作品でしょう。ロマンポルノがやりがちなくだらないギャグとかはナシで、ユーモアを交えつつも、串刺しグサリなどのシリアス路線なのが大正解。
主人公の梢ひとみに梶芽衣子のようなカリスマ性がないことが残念な代わりに芹明香が素晴らしい!
彼女の別格な名作『(秘)色情めす市場』と同様に関西弁が印象的ながら、喋り方や性格がまるで違って、牢名主に貢ぎ物をしたりと世渡り上手のようでいて、ヒモ(高橋明←最高!)にいいように利用されたりと、こちらはこちらで非常に魅力的キャラクター。
宇崎竜童によるブルースロックは、この手の映画の劇伴に多いジャズファンクよりもハマっていて良かった。アップの使い方が上手い画もバッチリ。
ただ身もふたもない事を言えば、やはり長い濡れ場が邪魔でこちらのリズムが狂ってしまいウトウトしちゃった…というか、これは本作だけではなく私にはロマンポルノ全般に言えることで…だったら観るなという話ですよね。。
それでも本作は機会があればまた観たい作品でした。