ENDO

鱒のENDOのレビュー・感想・評価

(1982年製作の映画)
4.0
挑発はしても誰とも寝ない女ユペールと無自覚な同性愛者でありながら彼女に惹かれる男たち。自給自足コミュニティみたいな生活と親父とその友人の間の秘密を孕んだ過去。そこに東京旅行が絡んで夫の嫉妬は増幅する。相手にされないカッセルが今まで蔑ろにしていた妻モローに絶縁されて発狂。エグいが異国としてのバブル期前夜の東京は輝いている。寿司屋の板前と繁華街デート。勲の貫禄に刮目せよ。『オワレテモ イソガヌフリノ コチョウカナ(追われても急がぬふりの胡蝶かな)』と俳句を誦じてユペールと心通わせるファーストクラスの機内。デカダンスとエキゾチズムの組み合わせで胃もたれしそうなのに非常に静謐な作品。曖昧なセクシャリティと性による抑圧はロージーの遺作といえども健在。自主字幕!
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