B姐さん

サラゴサの写本のB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

サラゴサの写本(1965年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

コッポラ、スコセッシ、リンチ、あとブニュエルも「すげー!かっけー!」と絶賛し、魅了された(らしい)幻想的な映画。だから結構期待していたが、正直、プロット構成だけで見せるだけの映画だった。あとは美術セットぐらい。

メタ構造で物語内物語の入れ子マトリョーシカ状態のなか、話者がコロコロ変わり説話的に挿話が進むのだが、「えーっとこの話は元は誰がしてて、今この状態はー」などと余計なことを終始考えるハメに。じゃあその物語自体は面白いか、というとまったく面白くない。度肝を抜くような撮影でもない。演者が特別素晴らしいとも思えない。まあ大体2時間で終わるはなしを3時間かけてやるのもつらいが、文学で表現できるモノを映画で観るのは(いつも思うが)キツイ。

なので途中からぼーっと観始めて、ラストのオチを適当に先読みしたらまんまのオチだったので、これはこれでビックリした。しかし先にも言ったように、構造の映画だから、そのオチはどの物語のどこのところで、伏線というかつながっているのか、というのが映画が終わってからの飲み屋とかでのお楽しみなのだろうが、つまんない話なので座持ちがしない気がする。

だからあまりのつまらなさにかどうかわからないが、上映中、客が5名ぐらい退席した。まあこれは急に仕事が入ったとか結婚記念日を忘れてたとかお風呂屋さんが閉まっちゃうという理由かもしれない。その辺はよくわからない。
時代劇やヤクザ映画など名画座や二番館で観て面白い映画だった時、客電ついて隣や周りを見渡すと観客の顔がニコニコしてるのをたびたび見かける。
しかし本作ではみんななぜか口をへの字にしてた。これには思わず笑った。
B姐さん

B姐さん