sonozy

サラゴサの写本のsonozyのレビュー・感想・評価

サラゴサの写本(1965年製作の映画)
4.0
ナポレオン戦争時代。スペインのサラゴサで一人のフランス軍将校が逃げ込んだ場所で、大判本を発見し、絞首刑された二人の男や、横たわる二人の女などの挿絵に興味を引かれ夢中に。
彼を捕らえようとやって来たスペイン軍将校もその本に興味を持ち、フランス軍将校に翻訳して聞かせてやる。その本の著者はスペイン軍将校の祖父アルフォンスだったのだ。

ここから、アルフォンス(ズビグニエフ・チブルスキー)の物語が始まりますが、アルフォンスの回想→回想の中に登場する人物の回想→その中の・・・と、複数の人物も絡みつつ、何重もの入れ子構造が続いていくのが特長で、同名の原作を見事に映画的翻案がなされているらしいんですが、途中何人か出てくる気になる美女に見惚れてたりもあり(笑)、この人、どういう関係だっけ?...的な脳内迷宮状態になります。それはそれで心地良いんですが。

『灰とダイヤモンド』あたりから比べると随分ぽっちゃりしたチブルスキー。マドリードへの近道を進みたいのに、何度も骸骨だらけの絞首門に戻っちゃう。
教会に居候してる片目のバシェコの奇声あげてからの通常トーク。笑
富裕商人の一人息子ロペスにつきまとうロケのウザさ(ロペスの食事を毎度奪っちゃったり。笑)...etc
コメディ要素の印象が強い読後感だったので、またいつか登場人物整理した上で観直したい感じ。
ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督作は『砂時計』の方が好きです。
sonozy

sonozy