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サラゴサの写本のmareのレビュー・感想・評価

サラゴサの写本(1965年製作の映画)
4.0
まさしく幻想絵巻という名に相応しい一人の男を取り巻く不確かな体験、数多の人物から語られる過去を横断する怪奇的プロット。全貌の把握には程遠く漠然とその不可思議さを目の当たりにするのがやっとだった感触。確かに難解ではあるけど何かどこかしら繋がりそうという妙な希望を抱きながら鑑賞できたので、そういう意味では他の難解映画にはない味わったことのない親近感とユーモアが宿っていた、ストーリーに食らいつこうとした部分ももちろんあったけどそれ以上に徹底して画面を覆い尽くす神秘性、特に回想の中にさらに回想があるという作りは他に類を見ない大胆さで驚く。さらなる知識を得て繰り返し観ること必須。ブニュエルだって3回観たって言ってるし。
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