84分に収めたコーマンのメッセージ性が強い作品。
それ程有名な作品ではありません。興行的失敗をしたわけですから。
しかし、内容については背筋が凍るようなもの。群衆が如何にして扇動されるかを描いています。
これを見ていて思い出したのが、ヒッチコックの『疑惑の影』のチャーリー。誰もが人好きする人物が人には見せない顔があるということ。
人種差別を始めとする、他を排除する気持ちの昂りがコントロールできなくなっていき、思いもしない方向へと行ってしまう。
正にブラックスワンが出現するのです。
この作品を観て、差別がどれほど愚かで、色々なものを破壊するか。感じていただきたい。