Jeffrey

ボディ・ガードのJeffreyのレビュー・感想・評価

ボディ・ガード(1948年製作の映画)
3.0
「ボディガード」

冒頭、上司を殴り警察をクビになった刑事。精肉会社の女社長、擁護者として雇われる。食肉業捜査官、命の危機、真相究明、変死事件。今、闇の中に足を踏み入れていく…本作は1949年にリチャード・フライシャーがロバート・アルトマン原案の作風を監督したもので、多くの傑作フィルムノワールを手がけたフライシャー初の犯罪映画であり、広角とクローズアップを組み合わせた巧みな映像感覚がすばらしい1本である。このたびDVDにて初鑑賞したが面白い。さて物語は、上司を殴り警察をクビになった刑事マイクは精肉会社の女社長のボディーガードに雇われる。誰かに命を狙われていると言う社長の警護に着いたマイクは襲われ、気がつくと自分が殴った上司の死体と車の中にいた。警察の捜査をかいくぐりながら真相究明に乗り出したマイクは上司が食肉業捜査官の変死事件を捜査していたことを知り、精肉会社の隠された闇の中に足を踏み入れて行く…と簡単に説明するとこんな感じで、40年代終わりからRKOで続々B級ノワールの傑作を連発したフライシャー監督が、このジャンルを初めて作り上げた記念碑的な作品である。1時間しかない作品だが、展開が早く、面白い(ご都合主義ではあるが)。アクションの連鎖はいいし、メリハリが効いているとも感じられる。その次から次えと厄介事が起きてしまう事態が面白く、どう乗り切っていくか観客はそれを見張るのである。そして上司と主人公が喧嘩する場面でもお互いがカメラに向かって近づいてくることで敵対を表現するなど視覚的な演出も飽きない。いろいろな工夫を凝らしているところが素晴らしい。そしてラストの対決にしても、食肉工場の枝肉がつり下がる中でのバトルは見ていて面白い。
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