囚人13号

ボディ・ガードの囚人13号のレビュー・感想・評価

ボディ・ガード(1948年製作の映画)
4.0
接写が効果的なフライシャー初期作。カメラではなく人間が接近することで物理的・心理的な緊張を煽る冒頭とクライマックス、普通に面白いですけどね。

被写界深度を強調するフレームインフレーム/窓越しに見える後景の人物や、物陰に身を潜める者と画面奥からこちらへ向かってくる悪党の縦構図など画面設計はノワールのスタンダード。

やはり反射は欠かせない要素であるがもう一つの重要な"鏡"とは他ならぬ眼鏡で、本作では事件解決の糸口となるものの、視力≒観察という主題は『恐怖の土曜日』の覗き魔、『ロープ/強迫殺人事件』(眼鏡)は犯人を示唆し、『スパイクス・ギャング』もやはり忘れ難い。

あと雑念として17点は野球らしからぬ得点数だが、『札束無情』然りフライシャーは犯罪の発火点として大人数の行き交う場所(球場)を好む傾向にあるのかね。
囚人13号

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