前から興味あったスタンリー・キューブリックの作品を制作順に観ていこうの会。
キューブリック自身が駄作としてフィルムを買い取ってしまったため、長らく未公開だった幻の作品からスタート。
1953年の作品ということで、白黒の映像。
戦争映画と見せかけといてホラー映画。敵国の中で味方は四人だけという状況の中、狂ってしまう兵士シドニーが一番タイトルを体現してる。狂い方の演技うますぎやし、言ってることも意味わからん。
キャラたちのセリフや、時折出てくる心の声が哲学的で面白い。堅くて意味わからんことばっか言ってる人というキューブリックの印象そのまま。
印象的なカットが多い。元々のキャリアがカメラマンということで、今作の映像も写真の繋がりという感じが強い。急なアップとか角度とか、モノクロなんも相まって写真集をみてるよう。そもそも映像というのも言ってしまえば写真の連続と言えるやろうし、その辺の意識をもって作られた作品なのかも。
深読みしようとしていくほど、それが補完となって意味がある風な作品になる。面白かったかと言われればそうでもないけど、なんとも言えない良さがあった。