このレビューはネタバレを含みます
スタンリー・キューブリック監督が10万ドルで撮った62分の戦争映画。アイデアは面白く、鬼才の片鱗はある。
本作を気に入っていないキューブリック本人は、プリントを買い集め封印したがったらしい。
以下は物語。
舞台はどこにでもある戦場。
飛行機が墜落し、敵の掌握する地帯に放り出された四名の小隊。コービー中尉はボートを作り川を下って、自陣に戻ろうと提案。丸太を繋ぎ合わせ、小さな筏を組み上げ、隊員達は夜を待つ。
その間に、隊員たちは川沿いで、地元の美女を拾う。中尉は最も若いシドニーに女の見張りを託し、3人は偵察に行く。コービー中尉とフレッチャーは敵のセスナ機と小屋を発見。そこには敵の大将もいた。
3人が戻る途中、銃声が響く。
焦って先に戻るマックだが、女は死んでいて、シドニーは気がふれて消えてしまう。
マックは戻った中尉たちに、人生の目標もない自分は生きて帰ってもが仕方がないので、敵の大将を殺して囮になる。2人はセスナを奪って逃げるように助言する。
3人での夜襲、敵の大将を殺し、中尉とフレッチャーは飛行機で脱出。
しかし、マックは撃たれ筏に乗って流されていく。すると、途中、気が狂ったシドニーが筏に同乗。気狂いと死人を乗せた筏は、中尉たちの待つ地点へ向け、流れていくのだった------
厭世的なナレーションに始まり、この時期としては珍しい隊員は「心の声」も多様され、技法を駆使するのを好む監督らしさは、既に萌芽されている。
渋谷tsutayaにて駆け込みレンタル。