花

海がきこえるの花のレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
3.8
2024.3.23

友だちから「1時間後に一緒に映画観れる人募集!」とのことで突然観た。突然友だちと会えるのってうれしいね!「海がきこえる」と言う日本語がまず美しすぎる

地方出身の夫の影響でその土地らしい景色や食べもの、温度、言葉に囲まれて過ごした人がうらやましいと思うようになった
自分の部屋の窓から海の音が聞こえたり、学校からお城が見えたり、住んでいる人からしたら当たり前の偏った景色が、時を減るにつれて宝ものになる現象に対して異常なロマンを感じているので、実際以上に美しく感じたかもしれない……

とにかく構図が凝っていて、映像的に新しいことをするぞ!という意思がバシバシ感じられたのも良かった。美術室でメモを書くときに、机の下から顔を抜いたカット、画面の3分の2がワントーンの路地裏で3分の1がカラー、登場人物たちが会話するカットもめちゃくちゃオシャレだった。会話が止まった絶妙なタイミングで路地裏にいるワントーンで描かれた人物の立ち読みする雑誌がめくれる音がする(何も伝わらない)
あと、ひさしぶりに実家に帰って海を散歩するとき、波止場のへりに足を引っ掛けてもてあそぶのもよかった
登場人物の足がメチャクチャ長い、体の7割くらい足やん。この頃の髪型や服装、ほとんどいまの男の子じゃんね

登場人物らの感情の起伏が全然理解できなかったけど、ただわたしが無粋な人間というだけ?五分くらいで別々の人間に一発ずつ殴られたら怒るだろと思ってたけど怒らなかった……し、ここで怒るん?!というところで怒ったりしててエエ?と思ってたら映画終わった 杜崎も松野も素直でまっすぐでやさしくて男の子として最高だし、りかこも最高なんだけど、各々のやりとりがしっくりこねえ
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