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海がきこえるの棋士のレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
5.0
ジブリ映画であった事も、宮崎駿がこの映画を嫌い、『耳をすませば』が制作された事も(友人、何も知らずにこの映画を観に行った日、偶然帰りに吉祥寺を通る必要がありました。
ホームからの眺めが同じ。
幼い頃から吉祥寺に通っているので、また実家も田舎には無いので、田舎故郷への愛着や懐かしさみたいなものを吉祥寺に、この映画を介して感じられたお陰で、映画にぐっと引き込まれて、私の大切な一作となりました。
ただ知っている町が舞台として映っていても、ここまでの情感は覚えなかったと思います。
誰もが経験する高校生くらいの甘酸っぱく不器用な心を、親しみやすく飾り気なく描いてあるからこそ、自分の中に残る微かな記憶がこれまでにないほど鮮やかに呼び起こされて (この映画はそういう気持ちを掻き立てるのが1番上手かった)
きっといつ観ても胸がいっぱいになったり、あの頃の繊細さを、いくつになっても知っている事を思い出させてくれると思います。

人と人との出会いや関係において、私の中の1番忘れたくない気持ちが幾つもここに集約されていたような気がします。
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