ネット

海がきこえるのネットのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
4.0
人間死ぬまで人間関係の中で生きていくしかないんだ……という深い絶望も抱きつつ、これがスタジオジブリで作られたという事実が好き。
細部まで愛そうという作り手の姿勢がある。受話器を取ると伸びてわずかに揺れるケーブル、座って電話してると気になるスリッパの糸くず。
主人公とヒロインが対等に暴力を振るい合うのがとても好き。あと本当に酷すぎる振り方も好き。人としてどうかと思うし、でも人ってこうだよなと。人というのは人としてどうかと思うことを思ってしまう生き物。
誰もいない美術室で松野くんと仲良くなるシーン、窓から夕暮れ時の雲が見えるのが良すぎてちょっと感動してしまった。主人公は十年後二十年後のある日、夕暮れ時の雲を見た時にこの時の教室を思い出すかもしれない。この夕暮れ時は高校卒業後にも反復される。
ネット

ネット