taroman

海がきこえるのtaromanのネタバレレビュー・内容・結末

海がきこえる(1993年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

初訪問ル・シネマ渋谷宮下

ジブリの音楽を流し聴きしているときに坂本洋子さんの「海になれたら」がやけに耳について、気になったのでアルバムを聴いてみた。そしたら、そのアルバムジャケットでしか見たことのなかった女の子っぽいヒロインが出てくる映画ということで観に行った。
音楽全般、1990年代が羨ましくなるかっこよさ。クラシカルな部分はもちろんなんだが、テクノポップみたいな音もよくあって、この時代の青春がたまらなくずるいなと思ってしまうほどだった。ないものねだり。

若者っぽい焦燥感、青くささ、どことない恥ずかしさ、生々しさ、火の玉みたいな行動力とエネルギー、淡い期待感と甘酸っぱさ、複雑な大人の匂い、滲み出る幼稚さ、などなど、書ききれないほどの柔らかい感情が揺さぶられ、思い出され、湧き上がってきた。

別にそんなに難しい話はしていないんだが、だからこそやけにリアル。映画内で森崎が、りかこのことを「30分間で急に成長したみたい」に見える旨の発言をしていたが、それはまさしく森崎にも言えるなと。未熟者な発展途上の若者の書き方がうまいっちゅう大人、ずるくてかっちょよくて、ちょっと気味悪くていじわるでいいな、と思う。

なんか、この映画は「すっげえものがみられるぞ!」と前のめりで観ると、どことなく拍子抜けするのかも。逆にあんまり事前のインプットがないと、作品の音・表情・声・背景描写・展開とか、色々なところがトリガーとなって心が動くのかも。など
taroman

taroman