クソデカい美容師

海がきこえるのクソデカい美容師のネタバレレビュー・内容・結末

海がきこえる(1993年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

良い意味で、原作者が女性だなと感じれる作品。こういった作品は女性にしか書けないと思う。

エモいという言葉の便利さに助けられる世界観。原作の巻末にある解説にもあったが、武藤里伽子というキャラクターは、どうしても惹かれる存在だ。家庭に問題がある、わがまま、都会出身、一匹狼(正確には一匹狼になってしまった)、気が強い、美人etc…主人公の杜崎拓が高校生のくせに相手のことを汲み取る性格をしてるからこそ、武藤里伽子が余計に儚く、魅力的に映る。

明確に恋仲になったかどうかの描写について。原作は完全にないのだが、映画では武藤里伽子が杜崎拓に会おうと東京にいるという描写があるのが少しもったいない。そういった恋愛的救いの余地があると自分のようなクソチョロヲタクは安心してしまう。安心せずに、2人はこれからどうなるんだろうとか、そういう余白が欲しい。そういった余白から、世に蔓延るお付き合いをするという関係性を見直せたらと思ってしまう。

自分には2人がすごく上位種に感じた。

クソデカい美容師さんの鑑賞した映画