ベビーパウダー山崎

悪魔のやからのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

悪魔のやから(1976年製作の映画)
4.0
2700八十島の心が壊れて妄想幻聴からの天国院(精神病院)送りになる配信を見ていたら、キチガイと変人しか出てこない本作をなんとなく思い出してまた見てしまった。
引き出しを開けると数々のバイブに混じって銃が入ってるのがまず100点。始まりから終わりまでテンションが狂っていて、表現者がアカの他人に創造を伝えたいならこれぐらいの勢いで圧倒してほしい。ファスビンダー組が勢揃いしていて、唯一マトモに見える妻のみが間抜けに死んで、生き続けるキチガイたちが狂乱のお祭り騒ぎでラスト。最高ですね。どれだけ正しく生きてもなんの価値もない。善悪ではなく、惨めに死ぬのは不幸な者だけ。娼婦とのセックスに公衆便所で荒々しい男のナンパ。男も女も関係ない、そこには強者と弱者もしくはファシズムとアナキズムの関係性しかないファスビンダー。元気が出る。
気持ちの悪い女性を演じているマルギット・カルステンセンはどれだけそう見せても品がありスタイルが美しすぎてミスキャスト。数あるファスビンダー映画でも本作が字幕付きでDVD化されているのが素晴らしい。またファスビンダー映画がまとめてソフト化されて私たちを濡らして欲しい。