雪洞

武士の献立の雪洞のレビュー・感想・評価

武士の献立(2013年製作の映画)
3.5
(あらすじ的な何か)

女中として仕えていた“はる”は、料理上手。一度は嫁ぐが、その気の強さが仇となって離縁され、また女中として戻ることに。
ある日、藩主も味を認めるほどの「鴨もどき」の具材を当てたことをきっかけに、その料理を作った料理番の男から、息子に嫁いで欲しいと懇願される。
始めは歳の差や離縁した過去、自分の気の強さから渋っていたが、あまりの勢いに仕方なく嫁ぐ“はる”。

義父母には料理の腕と、孫を産むことを期待されるものの、肝心の夫は”はる“にも料理にも興味なし。夫は後継のため、父と同じく城の料理番であったが、料理の腕はからっきしであった。
そんな夫にちょっとしたことがきっかけで、料理を教えていくことになるのだった。







(感想)
魚を捌いたり、芋の皮を剥き、野菜を切る。ただそれだけだけど、じっと見つめたくなるような料理のシーンが(ちょっとだけ)クローズアップされることで序盤はワクワクした。

序盤は面白い。

様々な御膳や重箱におかずが綺麗につまった弁当や、笹に包まれた携帯食のようなもの。
気になる料理がいっぱいあった。

「武士の献立」という題だからこそ、料理に焦点が当てられることもあったけれど、もっともっと細かく説明したり、料理のシーンがあったら良かったんじゃないかなと思う。

言うなれば「この世界の片隅に」(アニメの版)のように、手順を誦じたり、ちょっとしたひと工夫を会話に入れたり。全部美味しそうなのに、残念。

そして美味しそうなんだから料理をもっとじっくり写して欲しい 笑

序盤、夫に料理を教える時にはやや説明のようなものがあったけれど、中盤からは「武士」がメイン。

夫が包丁ではなく刀を持って、武士らしく生きたかった気持ちはわかるけれど、もう少しタイトル通りのストーリーを強めにして欲しかった。

武士の映画としても、
料理の映画としても中途半端な気がする。


作法のことはあまりよくわかっていないけれど、上戸綾の所作が綺麗で、どのシーンもじっと見つめてしまった 笑

その上戸綾の演技や所作、たまにある気になるお料理から、★+0.1にしてみました
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