みちろう

ミークス・カットオフのみちろうのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
4.4
ミークという雇われた道案内の男と謎のインディアン、敵か味方か全く不明の二人の行動と発言で何が何だかわからず困惑し狂っていく主人公たち、だだっ広い荒野が舞台なのに閉鎖的で何もできずひたすらじわじわと緊張感が漂うなかなか面白いスリラー西部劇。

こいつはきっと正しい/協力してくれてるといった希望とこいつの言うことは間違いだ、実は我々を殺すタイミングを伺っているみたいな恐怖,不安が登場人物によって何を信じるか変わってくる様子に、観る側もどっちかわからないような仕掛けを散りばめてる所は良くできてると思わされる。特にインディアン男の喋ってる言葉が何なのか不気味ですごい不安になった。知らない言語の怖さ。

一見,えっそこで終わり⁉︎ってキョトンとなる終わらせ方でもあるけれど、思い返すと後々見る側にたっぷり解釈を委ねた想像を膨らませられるエンディングでこの映画にふさわしいものだったと納得。ちょっと物足りない感は否めないけれど。

冒頭からasmr西部劇かと思うほど映像と音声にフォーカスしてて、心地良さに加えて当時の生活風景を細かく再現している部分はその頃の文化にも興味が湧くし力が入ってるなって感心するほどかなり良かった。登場人物が去った後の池?を長々と映すなぁと思ったら丘にスゥーっと移り変わっていくショットなど撮影の部分も工夫されてる。

割と面白いのに知名度低め。英語版wikiでもあんま詳しく書かれてなくて残念。マイナーな映画は好きだけどガチで知られてない/注目されてない映画はちょっと戸惑う。
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