とりん

ミークス・カットオフのとりんのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
3.2
2024年2本目

ケリー・ライカート監督とミシェル・ウィリアムズが「ウェンディ&ルーシー」に続いて、再タッグを組んだ本作。
南部開拓時代のアメリカを舞台に、移住の旅をするテスロー夫妻含む3組の家族が、道を知っているというミークに依頼し案内を受けるお話。
なかなか目的地にもたどり着かず、水や食料ばかりが消費していき、ミークの道案内に疑いを示していく。
そんな中現れる原住民の存在は、この状況を変える吉と出るのか凶と出るのか。
彼らの旅する道のりはひたすらに荒野が続き、まともな植物も自制しておらず、至る所の水も枯れ果てている。唯一見つけた水どころも飲める水ではなかった。
そんな不安が入り混じる中での疑心暗鬼が募る姿が描かれている。
とにかくこの荒野の映像がとても綺麗で、それぞれの人物の表情描写などが丁寧。この辺りはさすがケリー・ライカートだなと思える。
ただあまりにもゆったりとした時間が流れるので睡魔に襲われることとなった。
こういった雰囲気の作品が好きな人はかなりハマりそうな内容ではあるけれど、本作も個人的にはそこまで来なかったかも。
大きな展開とかもなく、ひたすらに時間が流れ、その過酷さだけが画面に映し出されるよう。観ているこちらも過酷さを突きつけられる気もした。

俳優の演技たちは見事だったと思う。ミシェル・ウィリアムズはもちろん、若かりしのポール・ダノとゾーイ・カザンの「ルビー・スパークス」コンビも出演してる。ポール・ダノの存在感は大きかったな。ブルース・グリーンウッドやウィル・パットンもこれまで観てた映画にも多く出演してた俳優たちで、彼らの演技もこの映画には不可欠である。
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