ドンチードル

ミークス・カットオフのドンチードルのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
3.5
ファースト・カウを観て、あれ全然ケリー・ライカートっぽくないと思ってから、同じ西部劇の今作を観たかったんです

こっちはケリー・ライカートっぽい映像と話で、これを観たらファースト・カウは撮影に関しては順当、ストーリーはあっちはオールド・ジョイの方が似てるかと思う

撮影は綺麗で、水平方向の移動とかは遠くから撮っていて他の作品より孤立してる感じが強い。画面を分割するような水面や水平線の撮り方とかも綺麗。逆に綺麗以外の感想があまり無くて、それは他のケリー・ライカート作品では無かった

ストーリーについては、ファースト・カウとは毛色が違うが、ユニークな西部劇であることは同じ。こっちは疑心暗鬼+男女の心理+原住民差別みたいな感じのお話で、ケリー・ライカートってアメリカ社会のミスフィッツが居場所を探す様を描くような作風だった気がするけど、今作は多分そうでもない。だから悪いという訳は全く無いけど、男女の違いや原住民差別みたいな話は、西部劇なのもあって、古いなあという印象だった

途中で「男性は秩序、女性は混沌」という旨の台詞が男性側からあって、気になって調べたら結構神話とかでも出てくるような概念らしい?混沌は生命を生み出す女性の象徴とのこと。(ダークソウルの混沌もそうだった。あれも色んな神話をベースにしてるし、これもその一つなのかも)だから聞こえは悪いが、文脈によって必ずしも混沌=悪というわけでは無さそう。ただ、今作の場合は男が適当なこと言ってるだけでしょう。現にそういう政治家がいるらしい

最後にことわっておくと、夜の暗さは明らかにシアターで観る用だろうし、正しい環境で観れておらず正当に評価は出来ていない