西部劇の体裁をとっているものの、主題としては『リバー・オブ・グラス』『ウェンディ・アンド・ルーシー』と大きく変わらず良い作品だったと思う。恐らくケリー・ライカートが監督をしていなければ西部劇映画を観るのはもう少し先になっていたはず。
『閉鎖されたコミュニティ内での言語の壁・伝聞などのイメージによる差別感情や男性らしさ女性らしさについて等、同監督の視点らしさ現れる映画だった。
しかし主題として特に言及したい点は結局の所(少なくとも映画内では)自分の行く道を全て、相反する且つ信用出来ない2つのコミュニティの人間に任せているという箇所。
ミークとインディアンはマチズモと差別感情のシステムを象徴する人物だったと感じる。
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何かあるとすぐに男性だけで前に出ていくことは過去のジェンダー意識による大きな悪習だと感じる。
時代背景もありそういったシーンが散見されたが、その裏では(実際には男性が裏なのだが)女性が男性に先駆け、インディアンの男性に貸を作ろうとするなど強かに生きる女性が見受けられた。
男性である私からすると女性的な視点で物事を観られるのはケリーライカート監督の映画を観る一つの理由である。