鈴木ピク

ミークス・カットオフの鈴木ピクのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
3.9
『ファースト・カウ』は「どうしてこんな奇妙な映画を作れてしまうんだろう」と吃驚しきりだったけど、本作も併せて見ることで未知なる既知の発見とでもいうような歴史の掘り返し、西部劇の盲点、つまり映画の盲点をつぶさに探索していくような深遠な野心に付き合っているような感覚に。
なにもない荒野の中、今にも壊れそうな馬車の車輪の音、身に着けている物ひとつひとつ、そして画面の果てにいるかもしれないネイティブ・アメリカンの影、目に入る異変すべてに目を凝らし耳を澄ましかけがえなく抱く。
映画は世界の豊かさを見つけることが出来る。その力がある。
鈴木ピク

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