安堵霊タラコフスキー

ラストタンゴ・イン・パリの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)
4.0
ベルトルッチが初めてアカデミー賞候補になった作品で、確かにすごい作品だけどよくこんな常軌を逸した映画を候補にしたものだと見る度に思わずにはいられない

初老の男と若い女が一つの部屋でヤりまくるというAVやピンク映画みたいな内容なのに、ベルトルッチの見事な演出にストラーロの美しい撮影、そしてなんと言ってもマーロン・ブランドの演技とそれに振り回されるマリア・シュナイダーのおかげで目が離せない魅力が生まれていることに映画の妙というものを覚えてならない

時たま音楽が突然流れたと思ったら突然消えたり、サックスが流れてると思ったら隣人が吹いてたり、なんていうゴダール的な音の遊びがあったのも彼の退廃的な恋愛映画へのリスペクトみたいなものが感じられて面白かった

しかしジャン=ピエール・レオー演じる映画監督の撮影のシーンは、やはりこの作品の内省的かつ私的な面を暗喩するメタ的な意味合いということでよかったのだろうか