めり

おとぎ話みたいのめりのネタバレレビュー・内容・結末

おとぎ話みたい(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

やっとサンクスシアターで初鑑賞。
最初に山戸結希監督らしい言葉が怒涛に連なっていて、そのときはほとんど頭に入ってこなかったが、後半のプールのシーンではどうしようもなく言葉が入ってきた。
それが映画の力、物語の力。
この強くて詩的な台詞の数々は好き嫌いが分かれそうだがわたしは好きだ。強くて美しく感じる。

言葉だけでは足りない、ということについて、山戸結希監督は強い言葉を浴びせてくる作品が多いと感じているがそれでもやはり足りないのだとわたしは深く納得した。

そして最近観た花束みたいな恋をしたと重なるところが多かった。恋が始まるところが。
しかし最後まで思わせぶりなことをしなかった先生、ありがとうと思った。
最後、先生が涙したシーンとても良かった。先生はちゃんと学校では自分は男である前に教師だということを自覚していた。ただ、女の子として見ていないにしても、一生徒としてはどうしても特別は感情はもってしまうよ。それはどうしても避けられない感情だと思うが、それは彼女に伝えられないのだ。教師だから。最後まで誠実な教師だった…
重心気をつけて!のOGも何回言うんだと笑ってしまったがいい人だったのだよな。

あと、季節が始まるとか終わるとか季節の感じ方ってたしかにその時の心情と深く関係しているなって思った。

そして、わたしはずっと東京の近くにいるから上京への憧れとか葛藤って共感できずにいるのだが、よくあるテーマで、この映画でも大きく扱われていた。出戻り文化人には笑ってしまった。
この10代の初恋、夢、淡く激しく独りよがりな青春が眩しくて苦しい。こんな青春があったなと笑えるような未来をつくりたい、忘れないで欲しいなんて気持ちを忘れられるような未来を。

調べたら趣里さんはやはりバレエをしていたのか。すごく美しかった。そして屋上で踊るシーンで生きてるだけで愛を思い出した。

山戸結希監督の映画はほとんど観た。好きです。
めり

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