特別な人の特別な存在になりたかった。
山戸監督の作品はどれも、とてもリアルな、女の子たちの真実を描いています。
でも本当はそんな感情は隠しておきたくて、映画に出てくる女の子のように思いっきり吐き出すことなんてできません。
だからこそ、主人公の叫びは私の忘れようとしていた激しい感情を掘り返してくるのです。
そして思うのです。あの頃の私も、彼女のように感情を吐き出してぶつけていたら、どうなっていたんだろう、と。
そう考えて泣いてしまう私は、もう少女ではなくなってしまったでしょう。
映画のなかで、先生が涙したように。