FREDDY

おとぎ話みたいのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

おとぎ話みたい(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「あの娘が海辺で踊ってる」「5つ数えれば君の夢」で注目を集める新鋭女性監督山戸結希が、両作の間に撮り上げた学生時代最後となる音楽青春ドラマ作品ということで。まず触れたいのは、本作は主演の趣里が演じる、田舎暮らしの高校3年生で東京に憧れを持つ高崎しほの、真っ直ぐで甘酸っぱい恋愛ドラマが文学的かつ詩的な語りとともに映し出されるだけではなく、バンド『おとぎ話』のライブ映像が交互に映し出されるというユニークな構成となっている。なので、一般的な青春恋愛映画として本作を視聴してしまうとはじめは戸惑うかもしれません。だが、意外とこの構成が魅力的で、これが長編作品だったらきっと後半は飽きてしまうのだろうが、51分と中編なので最後まで飽きずに視聴が出来ましたし、何よりも趣里の初々しさを感じる演技と、彼女が演じたと「高崎しほ」のキャラクター性、そして、断片的に切り取られた恋愛ドラマと、『おとぎ話』の数々の楽曲が見事にマッチしていて、"唯一無二の青春"を見せつけられたという印象でしかない。暇つぶし程度に視聴をはじめた本作だが、思いの外、心惹かれるものが多々あり、最後まで見入ってしまいました。とても面白い作品でしたね。とくに終盤は俊逸と言いますか、屋上で舞い踊る趣里には魅了されましたし、岡部尚が演じる新見先生の本心がワンシーンで映し出される辺りがまた山戸結希監督の力量を感じさせられた。オススメの一作ですね。
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