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蝿の王のRIOのレビュー・感想・評価

蝿の王(1963年製作の映画)
3.8
分厚い雲が島を隠してる
孤立無援となった少年たち

潮騒ですら彼らの体に野蛮性を呼び起こす
熱気に満ちた砂浜で夜まで続くトランス状態が炸裂
タブーが消えてゆく
一切をむちゃくちゃにしているものは
いったい何かということ
描かれた円陣は結束というものを超えている
群れることの圧力

騒音と静寂の描写

半ズボンにネクタイに首からは十字架までかけていた子供たち
それに親から愛情を掛けられなかったわけでもないのだろうに
天使のような歌声は奇声に変わり顔にはペインティングをして殺せ殺せ喉をかっ切れと獲物を追いかける
その叫びはさらに発展していく

捧げ物として串刺しになった豚の頭
その前に沈黙するサイモン
彼に残る無垢なる心に黙って語りかける蝿の王

もしかしたら他の少年たちにも蝿の王は語りかけてたのかもしれないなんてこの作品を観て思いました

ゴールディングの原作「蠅の王」に忠実に描かれてますが映画でも妄想はさらに広がりました
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