ブラックユーモアホフマン

アドベンチャーランドへようこそのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

3.9
遊園地版『プールサイド・デイズ』だ。てか『プールサイド・デイズ』がプール版『アドベンチャーランドへようこそ』だったんだ。でも『プールサイド・デイズ』の方が好きだな。

グレッグ・モットーラは「オタクは無害なので付き合うにはオススメですよ」というプロモーションをずっとしてんのね。
でもなんかそのスタンス自体がやっぱりまだマッチョな感じを引きずってる気がしてどうかなとは思うけどまあ10年以上も前の映画だから。

とは言え、男は不倫しても”そういう生き物だから”とかって大したお咎めなしなのに女性が不倫したとなるとアバズレ扱いされ蔑まれ貶められて変な男が寄ってきて同じコミュニティにはいられなくなるっていう現実をしっかり描いていたりとかは良かったけど。けど、にしてはライアン・レイノルズに甘い。

ジェシー・アイゼンバーグといい、ジョナ・ヒルといいマイケル・セラといい、サイモン・ペッグといい、見た目やキャラはモテなそうかもしれんけど、ユーモアのセンスもあるし女性とも物怖じせず話して自分らしさを発揮できてるし、そりゃモテるだろと思うのよ。本当にモテないオタクってこれができないからモテないわけで……つまり彼らが物語の前段階でバカにされてる意味が分からないというか、大した困難は乗り越えていないから物語の葛藤の作り方としては弱い。

ジェシー・アイゼンバーグのこういう演技ホントに好きだし、クリステン・スチュワートは世界一美しいし、いいけど。ビル・ヘイダーとクリステン・ウィグはもっと暴れてくれてもよかった。ライアン・レイノルズは後年のふざけたキャラに馴染んでしまったから普通の色男役なのに違和感がある。

あと良かったのはマーティン・スター!MCU版スパイダーマンの先生役の人だけどクレジットでももう一度出てくる、壊れたメガネで去っていく二人を見るところとか良かった〜。

フリゴは友達として最悪すぎて笑った。でも最後、丘で花火撃ってるのは画になってた。時折ものすごく美しいカットがある。そもそも遊園地って映画映えするわ。遊園地映画って他にあったか……ちょっと出てくることはあってもメインの舞台になることはそんなにないか。いい。

音楽がヨ・ラ・テンゴ。だから、『オールド・ジョイ』とかも思い出すし。

【一番好きなシーン】
ハッパクッキー食ってするゴーカート。