venom9

ラッシュ/プライドと友情のvenom9のレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
3.9
テンポ良いです。
当方、自動車は好きですがモータースポーツはほぼ門外漢で、ニキ・ラウダの名前は聞いたことがある程度。予備知識なく鑑賞しましたが大いに楽しめました。自動車に興味がない方や特にヘムズワースファンでない方でも楽しめると思います。
モータースポーツに寄りすぎず、テンポよくエピソードを繋ぐ編集、すばらしいです。ほぼ無駄なシーンがないと思います。さすがロン・ハワード。1970年代のF3やF1のマシン、どうやって用意したんだろうと思います。クラッシュシーンなど、VFXは多用していると思いますが、それだけでこの迫力出せるのだろうか。
さて、70年代のロックスターのように見た目は放埒で華やかなジェームズ・ハント(演:クリス・ヘムズワース)ですが、レース前に吐いたり気忙しくライターをいじったりと実は繊細で神経質であり、パートナーとの生活もうまくいきません。なんだかソーのキャラクターと重なりますが、実際のヘムズワースはあの筋肉が示すように極めてストイックです。今作の役作り、「マイティー・ソー」のソー役と通ずるものを感じます。
一方のニキ・ラウダ(演:ダニエル・ブリュール)は研鑽怠らず規則正しい生活を志向し、マシンの改良方針に影響を与えるほど知識も豊富です。変わり者嫌われ者のように描かれていますが、その生活態度は現代の優秀なアスリートのそれです。私は断然ニキ推しです。ダニエル・ブリュールは常に良いです。マウスピースを入れて出っ歯気味にしていましたが、口元がちょっとフレディ・マーキュリーみたいでした。
劇中、知り合ってしばらくは互いを罵り合うような関係に描かれていますが、実際にはF3の頃から仲良しだったようですね。
対照的な二人ですが、レーシングドライバーとして秀でておりキャラクターもあり、スター同士が競い合ったことで、シーンが盛り上がったと思います。私はアイルトン・セナ、アラン・プロスト世代でして、この頃も二人のライバルストーリーがモータースポーツ人気を牽引していましたね。
(2024年3月 U-NEXTで鑑賞)
venom9

venom9