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ラッシュ/プライドと友情のsoumaのレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
4.3
レビュー300本目。
せっかくなので好きな映画をチョイス。

実話をもとにしているだけあって
細部をとても忠実に
かつ、過大でドラマチックな演出を入れるようなことはしていない。
それでも当時のマシンディテールと映像を入れることによって
当時の緊迫感が十分に伝わってくる。

F1ファンにはたまらない出来栄えになっている。

さらに、F1という要素関係なく、ライバルの大切さを教えてくれる。
「宿敵の存在を呪わず神の恵みだと思え」
「賢者は敵から多くを学ぶ」
事故後のラウダの言葉だ。普通事故の後にこんなセリフは言えないと思う。
負の感情を持つことは楽で、あいつさえいなければと考えることは簡単。でも、自分にとってプラス要素はとても少ない。相手をコントロールできないのだから。自分をコントロールし、常に自分のプラスになる考え方。とても難しいけど、人としての成長ってこういうことなんだと思う。
そういう意味でもいい映画だった。



~~~ストーリーについて~~~

当時のF1ファンにとって1976年のチャンピオンシップは忘れられない年だろう。
ニキ・ラウダとジェームス・ハントはF3時代からのライバルで、それはF1に移っても変わらなかった。正反対の性格の2人。共通点は負けず嫌い。現代のルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのようだ。

当時のF1が今では考えられないほど危険で、安全よりもスピードを追い求めていた。死亡率は20%なんて、まともな神経ならきっと乗ることはできなかっただろう。走る棺と言われるほど危険だった。だからこそ、人々は車に熱中し魅了されたのかもしれないが。

さらに、当時のドイツGP(ニュルブルクリンク)は北コースを含めた全長22キロ以上。バンピーでジャンプセクションがあるようなコースだ。さらに1976年は大雨。中止の判断はされず、レース決行。その結果のラウダの事故。
脅威的なラウダのカムバック。からのチャンピオンシップの行方は、最終戦の雨の富士スピードウェイ。ひどい雨。またも中止の判断はされなかった。
富士での2人の判断は対象的だが、お互いに後悔のない選択をしたのは純粋にかっこいい。

最近のF1は、スポンサーが厳しくて、たばこもコンドームもなし。でも、当時の車を見てると、やっぱりmarlboroとかのロゴが入っている車体って、なぜかすごくかっこよく見える。マイセンとかラッキーストライクとか。すごく懐かしかった。
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