爆裂BOX

ゾンビ・ウォー101の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・ウォー101(2010年製作の映画)
3.2
炭鉱爆発事故により軍施設から漏れ出した液体の混じった水から作った密造酒を飲んだ人々がゾンビ化。高校生ケンは友人と共に車を改造してゾンビの群れを突破しようとするが…というストーリー。
このジャケットとタイトルから期待せず見たのですが、思ったよりもまともでした。
密造酒を飲んでゾンビ化した義父に襲われたケンは、義父を撃ってしまうも、同じく密造酒を飲んでゾンビ化した人々が町中に溢れてパニックになっていくという内容です。
汚染された密造酒を飲んでゾンビ化するという設定はトロマの「悪魔のゾンビ天国」のようですが、トロマの様にリミッタ―振り切ったお下劣ギャグや不謹慎ギャグはありません。コメディタッチではありますが。
最初から結構テンポが良くて飽きない作りなのはいいですね。第一号ゾンビが出てくるのも早いですし、ゾンビが拡がっていくのも早いです。ゾンビ化のスピードも密造酒を飲んだり、噛まれると一秒か二秒くらいで変化します。特にパーティー中にゾンビ化した人間に噛まれて次々噛みついてゾンビ化していく所はテンポよすぎてちょっと笑った。
ゾンビの造形は顔色が悪い人といった感じですが、目が釣り上がる所は中々不気味で奇抜でイイですね。子供でも容赦なく襲われてゾンビになります。
ゴアシーンは殆どないです。ゾンビの頭が吹っ飛ぶ所もありますが、安っぽいCGなのでグロくないです。
ゾンビの数は序盤等で主人公達を追いかける所はそれなりの数がいますが、基本は5、6人くらいですね。
主人公も含めて登場人物のキャラが立っていなくて感情移入できないのが残念ですね。ゾンビになった親友の弟を殺しちゃう所や、最後の展開もアツいんですが、登場人物のキャラが薄いのでイマイチ乗り切れない所はありました。というか普通に友人二人と思ってたので会話の中で弟だったと初めてわかったり関係性がイマイチわかり辛いんですよね。ヒロインとか影薄すぎている意味あったのかなぁ?と思ってしまいます。ラジオで説法叫びまくる狂信的な神父は、密造酒がゾンビ化の原因と聞いてラジオで密造酒飲むように勧めたりする所は「デッドライジング」のサイコで出てきそうなキャラでしたな。密造酒を作っていたおっさんはジャガイモ砲でゾンビをやっつけたりイイキャラになりそうだっただけに、ちゃんとキャラ立ててれば最後の自爆の所ももっと盛り上がれたのになぁ。ていうか自分達逃がす為に自己犠牲になったのに、「やったー!!助かったぞー!」って喜んで全然悲しまない主人公達薄情すぎ(笑)悲しんでる感じだったの一緒に行動してた女好きのTVマンくらいだったな。「ゾンビ・キラー」というサイトでやり取りしてゾンビ襲来に備えてる二人とかももっと活かせそうでしたね。
また、最大の目玉の武装車でゾンビを蹴散らすシーンもただ轢いていくだけという感じでここはもうちょっと頑張ってほしかったです。予算の関係で無理だったんだろうけど。ジャケットにもある前部についた生首ゾンビ化した弟のもの使ってたのはちょっと引いたけど。
低予算のチープな出来ではあるんですが、思ったよりも楽しめた作品でした。ゾンビ映画のお約束も抑えてはありますから、ゾンビ映画好きならチェックしてもいいと思います。