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SPINNING KITE スピニング カイトのmanamiのレビュー・感想・評価

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ブレイク前、20代前半の中村倫也、初主演が初々しい。
クルクル回る凧、電線に絡まる凧、沈みかけてる凧。居場所も行き先もない彼らを置き換えてるんだろうけど、ちょっと表現が分かり易すぎて、作品全体を安っぽく見せてしまってる。
それにセリフもちょいちょいオカシイ。「立ち止まってる場合じゃねえだろ」なんて言い方しないでしょ普通。他にもキャラと言い回しが合ってなくてちぐはぐなシーンがけっこうある。
キドも含めバンドメンバーは総じてダメダメ、その親や兄貴も問題ありだったりする。そんな中にあって異常に精神年齢高いのが、ジュンの妹。兄がだらしないから妹がしっかりしちゃうってパターン、まあ確かに現実でもあるよね。バスの中で兄妹が目線を合わさずに会話するシーンはなかなか良い。
海ほたるで地続きになったからって、海が狭くなったからって、東京が近付いたわけじゃない。東京に行ったからって上手くいく保証なんてないのも分かってるし、そもそもココから出て行く勇気もない。空虚な彼らの数カ月間、「空っぽ」で満たされてる作品。
私はラストが一番好きだな。偉いぞブンジ。

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