グルポル

ブラック・レコード〜禁じられた記録〜/ヒトラーコード39のグルポルのレビュー・感想・評価

3.8
とてつもなく悲しいく複雑でどうしようもない歯がゆさを与えてくれる素晴らしい作品でした。
ヒトラーコードという題だけあって直接的にヒトラーと関連づけされているものだとばかり考え鑑賞していましたが、1939年イギリスで確固たる意志を持ち戦う強い女性の物語であり、かなり濃厚なサスペンス映画でもありました。
数々のサスペンスを観てきましたが、サスペンス度高めです!じわじわきます。主人公アン役のロモーラ・ガライの演技力もなかなかでかなり引き込まれました。
エディの悪役感も最高です。なんでもハマりますね彼は。素晴らしい俳優です。
安定にアホなので理解力が足りないこともありますが、それにしても出来ていました。サスペンス好きにもオススメの作品ですね。

この作品はサスペンス要素以外にも人間の心理がかなり盛り込まれている作品で、戦争時の民衆の声が直接聞こえてくるような作品でした。自国を守る気持ちは誰しも同じなのに、思考がお互い違うため、成長しきった大人達は対烈してしまうんですね。なんとも切なかった。正解は無いんですよね、この作品を見終えた後批判も賞賛もできませんでした。そんな複雑な内容が盛り込まれた奥の深い作品です。戦争時の心境がとことん伝わってきます。
鑑賞者が少ないことを残念に思うほどで、これぞリアルだと感じました。みんなに観て欲しい( ; ; )

そして、この問題は現在もそう変わりません。自国を愛するが故の過ち。それが過ちかどうかもわかりませんが、守るべきものってなかなか導き出せませんよね。神じゃあるまし。人がいればいるほど誤差は生まれるもので、この作品で感じた問題は永遠に途絶えることはないと思います。人が信念を持つ限り。
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