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マレフィセントのhilockのレビュー・感想・評価

マレフィセント(2014年製作の映画)
4.0
魔女マレフィセントは悪者であるという前作のコンセプトを大きく変え、映画の主題を欲望と外見だけがすべてではないという、昔のディズニー映画で描かれてきた古典プロットを、過去のディズニーヴィランズ(悪役たち)の一人、マレフィセントに焦点をあてて作った作品とも見える。というのも、ディズニーフリークにとって、旧作も新作もないのがウォルトディズニーの凄さでもあるが、ミッキー誕生から数十年。旧作を全く鑑賞していない人々も増えているはずである。それを踏まえ、古典と言われる『眠れぬ森の美女』をリニューアルし、新解釈として映像実写化したようにも感じる。また、昨今のディズニーから抜け落ちた、無欲さと内面の充実という要素を復活させるために旧作の姉妹編的にしたのではともとれる。前作のアナ雪は、兄弟愛が中心となっているため、心の清らかさという要素も少しかき消された感がある。本作はその内容を真正面から捉えている。
魔女が必ずしも悪者ではない、さらに言えば人間のほうが欲望と裏切りの生き物であるとも言っているかのようである。おいおい!子供見る映画でそこまでやる?という、ディズニーの根底を覆すところもあるが、映像と笑いで素の毒を打ち消すあたりはやはりうまい。マレフィセントのアンジーが怖すぎで、子供泣いちゃうのでは?と私はそっちが心配です。
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