天豆てんまめ

エマニエル夫人の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

エマニエル夫人(1974年製作の映画)
2.9
この映画は、パリでは、なんと11年に渡ってロングランした前代未聞の記録を持っている。エロティシズムの探求がテーマな映画だけに、センセーショナルなイメージがあるけど、今から考えると、シルヴィア・クリステルの上品さと妖艶さ兼ね備えた美しさと共に、映像も音楽も含めて、丁寧に美しく作られていると思う。

小学4年生の時、日曜洋画劇場だったかな、父親が1階リビングでなんのてらいもなく、観てました。私も何気なく隣で観始めると、母親には「もう寝なさい」とプチッと消されてしまった、、いや、いつももっと起きてるけど、、父は2階に行って、また続きを観ていた。階段下で羨ましそうに見上げる私は、歯磨きをして布団に入ったけど、2階から艶やかな音楽と、何やら甘美な女性の声が漏れ聞こえてくる、、固唾を呑んで聴いていたけど、気づくと寝てしまった。でも、子供心にエマニエル夫人=子供は見ちゃいけない禁断の映画と刻印された。それからちゃんと観れたのは大学生の時、10年越しだったけど、綺麗な映画って印象を持った記憶がある。

子供心のふとしたエロスとの出逢い、今はネットで氾濫し過ぎて、映画がきっかけになることなんて無いんだろうな。それもまた、寂しいような気もする。