イチロヲ

エマニエル夫人のイチロヲのレビュー・感想・評価

エマニエル夫人(1974年製作の映画)
3.5
貞淑を貫いているフランスの高貴な夫人(シルヴィア・クリステル)が、夫によって連れ出されたバンコクにて、未知なる性の歓びを開花させていく。エマニュエル・アルサンの同名小説を映像化している、ソフトコア・ポルノ。

「父権主義からの開放」が題材に取られているため、「公開当時の女性層」から高い支持を得ることになった作品。自由意志を尊重する夫により、バンコクのサロンに預けられたエマニエルが、秘められた娼婦性を研ぎ澄まさせていく。

前半部は、サロンの女性たちとのレズ行為が主軸。性別を超越したところにある、根源的なエロスが喚起されており、エロ要員の女優陣(8頭身美人ばかりを揃えている)の全裸ヌードが、直視するには眩しすぎる。

後半部に入ると、プロ調教師の立ち位置となる初老の紳士が、自由恋愛に関する問答を展開。個人的には東南アジアのタントリズムを絡ませて欲しかったが、エキゾチックな雰囲気の中から、新機軸の性観念を湧き立たせようとする作風は成功している。
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