ダイナ

トレマーズ2のダイナのレビュー・感想・評価

トレマーズ2(1996年製作の映画)
4.0
ベーコンのいないトレマーズなんて…と思っていたものの個人的には割と楽しめた良作。フレッド・ウォード筆頭に継投・新規キャストも違和感は無し。脅威であったグラボイズが商業的に利用されているという背景、狩る側に回るという脚本の興味の引き具合が上手く、シリーズの魅力であるピンチ時に喧嘩しちゃう人間臭さや軽快な軽口や説教のユニークなやりとり、クリーチャー造形、カントリーロックも嬉しい楽しい演出です。のっけからドラム缶足場のご都合感ムンムンな配置に笑いが止まらない。

グラボイズに対する分析や鳴き声が滅茶苦茶ジュラシックパークっぽい。トレマーズ(1990)と本作(1996)の間にジュラシックパーク(1993)が公開されている関係性を踏まえると個人的には影響めっちゃ受けてると睨んでます。また本作のグラボイズが恐いってより可愛い。ラジコンでコツンコツンしてタッチ&エスケープするシーンやヒョコヒョコするシーン等、可愛いんだよなぁ…フィギュアあったら欲しい。自分は好きですけど、見た目の前作からのグレードダウン感は否めず、本作のCGが場面によっては滅茶苦茶浮いてて海外の生態系ドキュメンタリーみたいなリアリティの薄さに見えてしまう所があるのが懸念点の一つ。

またクライマックスの盛り上がりが少ないというか、中盤のイベントの一つといった感じのボリューム感が今一つな点。そして雰囲気の軽さは本作の魅力であると同時に、前作にはあった命の危険を漂わせる雰囲気を妨害しているきらいがあるように感じます。

スリリングな展開が薄まった本作は甘口カレーのよう。どちらかといえば辛党な自分ですがこれはこれで美味しいと思います。前作から制作費が半分以上削られ色々と苦労が垣間見える一作。全面的に肯定はしませんがこれはこれで愛せるB級。
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