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江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者のmasatのレビュー・感想・評価

2.0
阿部定を演った後の宮下✖️田中登のコンビであり、後に『赫い髪の女』(79)を演る宮下✖️石橋蓮司、なかなかの取り合わせであるが、どうも田中登作品は、映画的にも性的にも昂揚しない。

“退屈で退屈で仕方がない”・・・
そんな二人の運命の出会いが、やがて大震災で踏み潰された。人間の大量の血を吸った関東の大地、生き残った若い女は、地中深くに染み渡った赤い水を井戸から汲み上げ、浴び、飲み、明日を逞しく生きていく。

どうも映画的な骨格を成した、よく出来た作品なのだが、鬱屈した倒錯感が欠落していて満足へは至らない。
その分、根源的な生と性で勝負しているのか?
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