特売小説

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者の特売小説のレビュー・感想・評価

-
久方振りに。

久方振りに、なんて個人的な事情やら感覚に過ぎず本作の内容には一切係らない訳ですけれども、久方振りに。

好い気狂いを見せてもらいましたよ。

間接的にですけれども女子高生が訪れるカラオケボックスの個室の床になりたい、無論陰茎を露出したり或いは踏んでもらわずとも構わない、何故なら自分は床なのだから、という人の願望を聞いた時のときめきを思い出しましたよ。

人間椅子の運転手が奥様に対する劣情を剥き出しにして見せたのは辛抱堪らなかったからなのか或いは叱責されたかったからなのか、彼と夜を徹して語り合いたいと思いましたよ。

石橋蓮司がまるで日野日出志が描いたキャラクターみたいだと思いましたよ。

他者から流れ込んでくる毒、を表したものだとして瓦礫の山をこさえるのは脈絡なく見えてしまう気がしますけれども、ぞっとする凄え結末だなと思いましたよ。
特売小説

特売小説