テニス部員の女子高生(山本奈津子)が、多様な性体験を通しながら、テニス選手としての素質を開花させていく。スポーツ漫画「エースをねらえ」をエロパロディにしている、日活ロマンポルノ。宇能鴻一郎原作。金子修介監督のデビュー作。
スポ根の定型にエロ・シチュエーションを無理やり絡めていくスタイル。宇能鴻一郎原作だが、スポーツ好きの少女がフィジカルに躍動するエロスという観点では、永井豪の不条理エロ漫画を想起させられる。
毎度お馴染みの一人称語りが効果的に使用されており、溌剌とした発声で「好きです!肉棒注射!」だとか、言葉選びがいちいち面白すぎる。セックスの腰つきでテニスの素質を評価する、コーチ(沢田情児)のクルクルパーぶりも素晴らしい。
「大真面目にアホなことをする面白さ」を堪能することができる秀作。金子修介監督がロマンポルノに持ち込んだ新感覚のオタク気質が、総じてポジティブに機能している。