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変態家族 兄貴の嫁さんのgogotakechangのレビュー・感想・評価

変態家族 兄貴の嫁さん(1984年製作の映画)
3.4
周防正行監督の第一回監督作品ということ、それに全編に渡って小津安二郎監督にオマージュを捧げるような作りになってるということで、かなり前から名前だけは知っていた。
ついに拝見。しかも銀幕で拝めることができるとは夢にも思わなかった。

東京郊外の住宅地、路地裏のスナック、密かに崩壊している家庭、棒読みの台詞回し、河川敷、電車などなど...。
確かに一分のスキも無いほど綿密に敷き詰められた"オヅ・ワールド"。
それは仮面社会の裏側に隠された、淫靡と背徳と猥雑があからさまに描き出されており、だから、並列に進行する"オヅ・ワールド"になんの違和感もなく馴染んでしまっている。
とてもよく練り上げられた作品だと思うが、新東宝製作の成人映画としてはどうにも実用的でない。当時の観客からはそっぽ向かれたんだろうなと思った。

ノリノリで笠智衆みたいな役を演じる若かりし大杉漣の姿に、只々合掌するばかり。
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