魔導ネコ

ウォールフラワーの魔導ネコのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
4.6
前から好きな作品。再視聴。
やっぱりこの頃のエマ・ワトソン凄く好き。

ストーリーは本筋は分かるけれど細かいところまでは正確に理解できていないと思う。主要人物以外が少しごっちゃになって整理しきれていない。
本筋自体もモノローグが多く余白が多い印象なのでちょっと難しい。

本作は「ライ麦畑でつかまえて」の再来とも言われる原作小説を映画として書き起こして制作された作品。社会に対する青少年の小さな反逆や少年期の脆さ、儚さを描いている部分は共通点がある。

ストーリーも好きだし、エマ・ワトソンも好きなんだけれどそれ以上にこの映画の魅力は絶妙なバランスの上で成り立っている独特な雰囲気かなと思う。どことなく懐かしさを感じ、憧れを感じ、古臭さを感じ、親近感を感じ、愚かさを感じ、成長を感じる。いろんな要素が崩れないように噛み合いながら成り立ってできているからこそ、見ているだけで、浸っているだけで充足感に溢れる。

劇中流れる曲も凄く好き。
「Heroes / David Bowie」トンネルのシーン、「All Out Of Love / Air Supply」ポスターを貼るシーン、「Christmas (Baby Please Come Home) / Joey Ramone」図書館で勉強のシーン、「It’s Time」主題歌
これらが特におすすめ。聞くだけで映画のシーンが想起されるし、学生としての自分の大切な思い出も蘇ってくる。
今が過去の思い出となり薄れ色褪せていくことは怖いけれども、現在進行形の充足感や煌めきを気づかせてくれる。そんな映画であり音楽である。


好きなセリフ
「なぜやさしい人たちは間違った相手とデートを?」
「自分に見合うと思うからさ」


「人の人生を優先しておいて幸せと呼ぶなんておかしい」


「でも今この時は思い出じゃない。現在進行形だ。」
魔導ネコ

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