「グランド・ホテル形式」を陪審員でやってみました!テヘッ
みたいなやつ!
身分も価値観もバラバラな人たちが集まる場所…ホテルだ!
と最初に形にしたのがグランド・ホテルだとしたら、
身分も価値観もバラバラな人たちが集まる場所…陪審員じゃん!
って考えたカイヤット監督は天才では?
有り様的に、後の「十二人の怒れる男」に強い影響を与えたのは明白。
どこにもそんなこと書いてないけど、明白だもん!
ただ、同じく「有罪か無罪か」の選択をテーマにして、
陪審員制度の光と闇を描く両作ではあっても、
被告が本当に犯人かどうか。が争点の「怒れる男」は、
観衆は刑事役であって、エンタメ性がMAXまで振り切れてるのに対し、
本作はそもそも、
「安楽死行為が罪か否か」が焦点となってるが故に、
そもそもそこに正誤も真実もなく、
観衆は自分自身の価値観を投影して、
その自分の価値観にどんな裁きが下るのかを待つ側の身なのである。
エンタメ性ゼロ!
さすが様々な哲学者を生み出した国やで…
でもだからこそ、
客観性よりも主体性だけで観なきゃいけない作りだし、
それが故に全く目が離せないとか何とか。
深く考えさせられる映画。
心よりも頭を揺さぶられる映画もまた良きなのである。