「裁きは終りぬ」
本作はヴェネチアとベルリンの両方で最高賞を受賞した唯一の作品です。映画仲間とウォッチパーティにて鑑賞しましたが、これが思ったより面白い。
世界三代映画祭の作品を鑑賞していると、各映画祭の特性であったり、時代のニーズに合わせたジャンルだったりと傾向がわかってくるのですが、本作のような「法廷もの」は意外と少ないことがわかります。
本作と題材が似ている「十二人の怒れる男」やナチスに加担した罪を問われる「ミュージック・ボックス」くらいじゃないでしょうか。黒人差別を題材にした法廷ものが獲ってないのが意外なのですが、そこはアカデミー賞の仕事なのかもしれんよね…
本作1番のポイントは、裁判官や弁護士ではなく、陪審員8人に着目することで、人が人を裁くことの難しさについて問うてることです。しかも、裁判だけがフィーチャーされるのではなく、陪審員に選ばれた人たちの周りで起こる出来事がメインなので、そこがまた面白いです。
撮影や編集も非常に面白く、一本の映画としての完成度が非常に高い作品なので、古い映画と思わずぜひ鑑賞してもらいたい一本です。